認知症臨床研究・治験ネットワーク|国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
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国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
認知症臨床研究・治験ネットワーク「参加者募集中の臨床研究」

参加者募集中の臨床研究

SDAF-PET研究

DLB-Z研究

お問合せは、認知症臨床研究・治験ネットワーク
crndinfo★ncgg.go.jp(★を@に変更してください)までご連絡ください。


試験概要

この試験では、アルツハイマー病、もしくは前頭側頭葉変性症ぜんとうそくとうようへんせいしょうの患者さんにご協力をお願いしています。

アルツハイマー病とは、認知症の中では最も頻度が高く、脳の神経細胞が減ってしまい、脳が小さくなって(脳萎縮のういしゅく)しまいます。脳の中にβべーたアミロイドと呼ばれるタンパク質がたまり出すことが原因の一つとされていて、βアミロイドが脳全体にたまることで、脳の働きを低下させ、脳萎縮を進行させるといわれています。多くの場合、もの忘れから始まり、時間、場所、人の見当(今何時か、どこにいるか、話している人は誰か)がつかなくなります。

前頭側頭葉変性症とは認知症の中でも頻度は全体の10%程で、前頭葉や側頭葉に限局した神経細胞の脱落がみられ、残存神経細胞にはタウと呼ばれるタンパク質やそれ以外の異常なタンパク質が蓄積していることが知られていますが、なぜこのような変化が起こるかは解っていません。初期にアルツハイマー病でおこるもの忘れはあまり見られませんが、社会的なルールを無視するような行動、物事のやる気がない症状(意欲の低下)、人や物に興味を示さない症状(無関心むかんしん)、うまく言葉が話せない、言葉が出てこない症状言語障害げんごしょうがい等が見られます。

「FDG-PET検査」について

アルツハイマー病の診断では、今まではCTやMRIといった画像診断を用いてきました。近年、早期診断の必要性の高まりや画像診断の進歩により、アルツハイマー病の診断における画像診断の位置付けは大きく変化しています。そのひとつに「FDG-PET※1」を用いた診断があり、現時点では補助診断法として位置付けられています。FDG-PETとは、放射線を出す物質であるFDGを注射し、そこから出る放射線をPET装置で検出することによって、FDGの体内分布を画像化して病気を診断する検査法です。FDGは、ブドウ糖と構造が似ているので、ブドウ糖と同じように身体の細胞内に取り込まれます。脳や心臓はブドウ糖を使って活動するため、大量のブドウ糖を取り込みます。そのため、FDG-PETは脳の病気の診断に有用な検査法とされています。

2011年に改訂されたアルツハイマー病の診断基準において、MRI、FDG-PET、アミロイドイメージング※2脳脊髄液検査のうせきずいえきけんさ※3とともにバイオマーカー※4として診断基準に組み入れられることになりました。しかし、新たに導入されたバイオマーカーや、それらを組み合わせた場合の有用性については検討が不十分な点があり、臨床試験による検討が引き続き行われるべきであるとされています。

※1 FDG- PET:フルオロデオキシグルコース陽電子放出断層撮影ようでんしほうしゅつだんそうさつえい

※2 アミロイドイメージング:脳内にアミロイドがたまっているかを調べる検査

※3 脳脊髄液検査:脳や脊髄の感染、外傷、腫瘍しゅよう、出血の有無を調べることができる検査

※4 バイオマーカー:病態の指標となるもの

投与方法

この試験に参加いただいた場合、薬の効果を見る試験ではありませんので、特別に薬を服用したりはしません。ただし、試験期間中に使用することが制限されている薬剤(抗てんかん薬、長期にわたる催眠鎮静剤さいみんちんせいざい(抗不安剤を含む)、抗うつ剤、抗精神病薬)があります。そのため、これらの薬剤以外は続けて使用いただけますが、これらの薬剤を使用されている場合には、該当する薬を中止したり、変更しなければならないこともあります。

またどのような場合においても、常に担当医師はあなたのお身体の状態や検査値などを確認し、症状の悪化などであなたに不都合が生じた場合には、適切な治療を行います。

副作用

この試験はこれまでの結果に基づき科学的に計画され慎重に行われますが、もしこの試験による副作用と思われる症状が出た場合は、試験を中止して保険診療の範囲内で副作用の治療を行うなどの適切な処置を行いますのでご安心下さい。

試験の対象

アルツハイマー病、もしくは前頭側頭葉変性症の患者さんで、55歳以上84歳以下の方が対象になります。また、心身ともに健康で、週に10時間以上患者さんと接触があり、試験参加期間中の全ての診察に同行できる研究援助者の方がいることも必要な条件になります。他にも参加いただける条件がありますので、試験参加に同意いただいた場合でも、検査の結果などでご参加いただけないこともあります。

試験実施施設

No 実施医療機関 試験責任医師 診療科
1 国立研究開発法人
国立長寿医療研究センター
愛知県大府市森岡町七丁目430番地
TEL:0562-46-2311
URL:http://www.ncgg.go.jp/
伊藤 健吾 放射線科
2 浜松医科大学医学部附属病院
静岡県浜松市東区半田山1-20-1
TEL:053-435-2111
URL:http://www.hama-med.ac.jp/hos/
尾内 康臣 神経内科
3 独立行政法人 国立病院機構
広島西医療センター
広島県大竹市玖波4丁目1番1号
TEL:0827-57-7151
URL:http://hiro-nishi-nh.jp/
渡辺 千種 神経内科
4 川崎医科大学附属病院
岡山県倉敷市松島577
TEL:086-462-1111
URL:http://www.kawasaki-m.ac.jp/hospital/dept/
砂田 芳秀 神経内科
5 近畿大学医学部附属病院
大阪府大阪狭山市大野東377-2
TEL:072-366-0221
URL:http://www.med.kindai.ac.jp/
石井 一成 放射線科
6 地方独立行政法人
東京都健康長寿医療センター
東京都板橋区栄町351番2号
TEL:03-3964-1141
URL:http://www.tmghig.jp/
石井 賢二 神経内科
7 岡山旭東病院
岡山県岡山市中区倉田567-1
TEL:086-276-3231
URL:http://www.kyokuto.or.jp/
柏原 健一 神経内科
8 大分大学医学部附属病院
大分県由布市挾間町医大ヶ丘1丁目1番地
TEL:097-549-4411
URL:http://www.med.oita-u.ac.jp/hospital/index.html
松原 悦朗 神経内科
9 国立研究開発法人
国立精神・神経医療研究センター
東京都小平市小川東町4-1-1
TEL:042-341-2711
URL:http://www.ncnp.go.jp/
高野 晴成 精神科
10 産業医科大学病院
福岡県北九州市八幡西区医生ヶ丘1番1号
TEL:093-603-1611
URL:http://www.uoeh-u.ac.jp/hospital.html
足立 弘明 神経内科
11 名古屋大学医学部附属病院
愛知県名古屋市昭和区鶴舞町65
TEL:052-741-2111
URL:https://www.med.nagoya-u.ac.jp/hospital/
渡辺 宏久 神経内科

試験概要

レビー小体型認知症は変性性認知症のなかでアルツハイマー型認知症についでよくみられる病気です。早い段階から幻視(見えないものがみえる、そこにないものをあるように認識する)や妄想(実際にはおこっていない出来事をおこっているように感じそのことで苦しむ)、無為(何もする気がおこらず、不活発になる)、抑うつ、昼夜逆転、不眠、介護への抵抗といった行動・心理症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia:BPSDと略します)がおこってくるために、介護する人の負担を大きくさせることが知られています。これに対してこれまでは抗精神病薬が用いられてきましたが、この治療法は副作用が多く、またレビー小体型認知症ではパーキンソン病の症状を併せ持つことがあり、抗精神病薬がこの症状を悪化させてしまうことがわかっています。さらにレビー小体型認知症では抗精神病薬に対して過敏反応を示すことが一つの特徴でもあります。このような状況から副作用の少ない行動・心理症状(BPSD)の治療薬が強く求められています。

使用するゾニサミドは抗てんかん薬として開発され、てんかんの治療薬として有効性、安全性が確立しています。その後、パーキンソン病における有効性と安全性が2005年初めて報告され、2010年には抗パーキンソン病薬としても発売されています。 研究代表者らはレビー小体型認知症のBPSDに対するゾニサミドの有効性について、少数の患者さんに参加していただき、探索的な試験を行い有効で安全な薬剤である可能性を示しました。今回はその結果も踏まえ、より多数の患者さんでその有効性と安全性を確認します。

レビー小体型認知症のBPSDに対する治療法の選択が広がり、より安全に治療がうけられるようになります。

ゾニサミドについて

ゾニサミドは、既に厚生労働省より保険薬として承認を受け、販売されている医療用医薬品で、てんかん、パーキンソン病などの治療に対して広く使用されています。今回、レビー小体型認知症に伴うBPSDに対して投与することにより、有効で安全性の高い治療法が確立されていないレビー小体型認知症に伴うBPSDに対しての、治療法が確立されることに一歩近づくことが期待されます。また、レビー小体型認知症に伴うBPSDの治療が難しいことによって、医療費が増え、何度も入院したり、入院が長引くなど患者さんとそのご家族の心理的・経済的負担が軽減されることが期待されます。さらに、現在行われている保険適応外の抗精神病薬を何種類も使うことが減ることによる医療経済的効果は極めて大きいものと考えられます。

現在のレビー小体型認知症を伴うBPSDの治療としてはドネペジル、リバスチグミン、クエチアピン、オランザピン、抑肝散の有効性が示されていますが、科学的根拠があり勧められる薬剤は限られ、多くは科学的根拠はないが勧められる段階の薬剤にとどまっています。本研究期間中、試験責任医師又は試験分担医師の判断で、BPSDの悪化によりやむを得ず使用が必要な場合(本人及び介護者に精神的・肉体的危害が及ぶ場合)は、一部の併用禁止薬の頓用使用を例外的に認めることがあります。ただし、可能な限り少量で最少回数の使用とします。

投与方法

病院などで処方されたお薬や薬局で販売しているお薬を使用した場合、実際のお薬の効果よりもすぐれた効果がでることがあり、病気が良くなったように医師や患者さんが感じる場合があります。これは患者さんの治療に対する積極的な気持ちが高まることで免疫力や治癒力が大きく働いたり、お薬を使用したことによる安心感などが影響したりしていると言われています。そのため、この試験では試験薬の有効性を客観的に評価するため、試験薬の成分が入ったものと、入っていないもの(プラセボといいます)を使用します。プラセボにはほとんど薬理的に影響のない、一般的にプラセボに用いられている、市販のお薬である乳糖を使用します。どちらかの試験薬をご使用いただきますが、試験薬の有効性を確認するため、ご使用いただく試験薬に主成分が含まれているのかどうかは、わからないようになっています。この方法はお薬の有効性を調べる場合に、一般的に使用されている方法の一つです。

この試験に参加していただく患者さんにはゾニサミドと、乳糖のどちらかを服用していただきます。医師が指導した時間に一日一回1包を、合計4週間服用していただきます。試験薬の投与量は副作用が出た場合を除き、この試験が終了するまで変更することはありません。プラセボを使用することになった場合は、思ったような治療効果が現れない可能性があります。そのような場合でも試験担当医師は常に患者さんのお身体の状態や検査値などを確認し、症状の悪化など不都合が生じた場合には、試験の中止を含めて適切な治療を行います。

副作用

登録に際しては、適切な選択基準を設定した上で、登録の可否を判定し、安全性を確保できない患者さんが登録されないようにします。また、割付は無作為に行い、患者さんおよび試験実施者どちらに対しても実薬偽薬がわからない(二重盲検といいます。)ようにします。試験期間中においては、常に患者さんの健康状態を把握できるようにするとともに、この薬剤に関連すると考えられる安全性情報の収集、伝達に努めます。さらに、有害事象が発現した場合には、当該薬剤投与の中止や適切な医療の提供を行うことで被験者の安全性を確保します。また、発現した有害事象の検討、重篤な有害事象発現時の処置などの方法を定め、試験の継続及び中止の判断が適切に行われ、安全性を確保できるような体制を確保します。

ゾニサミド投与によって起こりうる副作用(薬物有害反応)としては、承認までの臨床試験及び使用成績調査・特別調査6376例中1575例(24.7%)に副作用がみられています。主なものは眠気、食欲不振γ-GTP・ALP・ALT・ASTの上昇、無気力・自発性低下、運動失調、悪心・嘔吐、倦怠・脱力感、精神活動緩慢化(ぼんやりする)があげられています。その他、本試験に参加することによる不快な状態として、面接による質問調査等、患者さんやご家族に協力してもらう評価項目が多く、ご家族の手間が増えることが挙げられます。

試験の対象

この試験の患者さんはレビー小体型認知症という病気にかかっており、55歳以上84歳以下の方です。

他にも参加いただける条件がありますので、試験参加に同意いただいた場合でも、検査の結果などでご参加いただけないこともあります。

試験実施施設

No 実施医療機関 試験責任医師 診療科
1 国立研究開発法人
国立長寿医療研究センター
愛知県大府市森岡町七丁目430番地
TEL:0562-46-2311
URL:http://www.ncgg.go.jp/
鷲見 幸彦 もの忘れセンター
2 弘前大学医学部附属病院
青森県弘前市在府町5番地
TEL:0172-39-5142
URL:http://www.med.hirosaki-u.ac.jp/hospital/
東海林 幹夫 神経内科
3 東京医科大学病院
東京都新宿区西新宿丁目7-1
TEL:03-3342-6111
URL:http://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/
清水 聰一郎 高齢診療科
4 浜松医療センター
静岡県浜松市中区富塚町328
TEL:053-453-7111
URL:http://www.hmedc.or.jp/
坂本 政信 神経内科
5 独立行政法人 国立病院機構
広島西医療センター
広島県大竹市玖波4丁目1番1号
TEL:0827-57-7151
URL:http://hiro-nishi-nh.jp/
渡辺 千種 神経内科
6 川崎医科大学附属病院
岡山県倉敷市松島577
TEL:086-462-1111
URL:http://www.kawasaki-m.ac.jp/hospital/
砂田 芳秀 神経内科
7 片山内科クリニック
岡山県倉敷市寿町1-26
TEL:086-422-0753
URL:http://katayama-med.com/
片山禎夫 神経内科
8 独立行政法人 国立病院機構
まつもと医療センター
長野県松本市村井町南2丁目20番30号
TEL:0263-58-4567
URL:http://mmccenta.jp/index.html
武井 洋一 神経内科
9 名古屋大学医学部附属病院
愛知県名古屋市昭和区鶴舞町65
TEL:052-741-2111
URL:https://www.med.nagoya-u.ac.jp/hospital/
勝野 雅央 神経内科